ヴァローナは、創業100周年を機にこれからの100年を次世代の人と考えるきっかけとなることを願い、このプロジェクトを開始しました。
チョコレートには、カカオのアロマを最大限に引き出した味わいを楽しむことに加え、シェフが創り出すクリエイションはもちろん、チョコレート自体がさまざまなテクスチャーを出せることから、「アート」としての側面もあります。
東京藝術大学とタイアップし、参加学生に「まだ見ぬ特別なチョコレート体験(物語)」をテーマに、ヴァローナが創業以来こだわり続けている「最高のチョコレートの創造」と「責任あるスイート・ガストロノミーの世界」をアートで表現してもらいます。親しみがあるけれど、深く知る機会が少ない奥深いチョコレートの世界に触れてもらい、学生の創造性を伸ばすサポートを提供します。

東京藝術大学
参加学生メンバー
(五十音順)

  • 五十嵐 央さん

    五十嵐 央さん

  • 小此木 みなみさん

    小此木 みなみさん

  • 小澤 良奈さん

    小澤 良奈さん

  • 源川 眞子さん

    源川 眞子さん

  • 張 瀅鑫(チョウ エイシン)さん

    張 瀅鑫(チョウ エイシン)
    さん

  • 何 川(ホ チュエン)さん

    何 川(ホ チュエン)
    さん

  • 政井 歌さん

    政井 歌さん

  • 松下 穂香さん

    松下 穂香さん

プロジェクトの軌跡

「知る」「体感」「対話」「言語化」などのプロセスを通じて、チョコレートについてより深く知ってもらい、
創作テーマを創出、そしてコンセプトを元に作品制作を行います。
11月には発表会を開催する予定です。

  • 「知る-1」
    「知る-1」
    東京藝術大学の担当教授3名(東京藝術大学美術学部デザイン科 教授 松下 計 先生、准教授 押元 一敏 先生、テクニカルインストラクター 佐々木 里史 先生)より、学生に対してオリエンテーションを実施。
  • 「知る-2」「体感-1」
    「知る-2」「体感-1」
    チョコレートやスイート・ガストロノミー(パティシエ)の世界、ヴァローナが創業以来こだわり続けている「味」「サステナビリティ」「シェフ目線・シェフへのサポート」について講義を行い、ヴァローナを代表する製品を試食。チョコレートのさまざまな世界に触れ、新たな視点で考える第一歩に。ヴァローナのチョコレートの舌触りの良さや、味わいの高さを感じ、多様な種類があることなど、新しい発見につなげていただきました。
  • 「体感-2」
    「体感-2」
    エコール・ヴァローナ 東京のシェフと共に、実物のカカオの花やカカオポッドなどを見ながら、カカオがチョコレートになるまでのプロセスを学んだり、チョコレートのテンパリングなど、パティシエが行う作業を実際に体験。シェフの「ものづくりへのこだわり」「職人としての考え」に、芸術を学ぶ学生は、同じアーティストとして非常に感銘をうけていました。
  • 「対話-1」
    「対話-1」
    ヴァローナと参加学生で、座談会を開催。学生からは、驚いたチョコレートの使い方、味わいや香りを表現する言語、チョコレートの国による特徴、世界各地のチョコレートを食べる習慣、カカオの旬の時期、ペアリングについてなどのさまざまな質問がありました。ヴァローナからは、普段どんなスイーツをどんな時に食べるのか、などを質問。学生にグラフィックレコードを書いてもらいながら、対話を深めました。
  • 「対話-2」
    「対話-2」
    DAY 4までの情報や体験を元に、作品の構想を練り、言語化。オンラインで発表会を行い、それぞれの作品についての意見を交換しました。
  • 「発表会」
    「発表会」
    参加学生メンバーの制作物の発表会。チョコレートという素材、カカオやカカオ生産者、シェフの世界やスイート・ガストロノミーの世界について学び、体験したことから、学生が独自の視点でとらえたものを、斬新に、クリエイティブに作品に落とし込みました。その作品の背景や、作品に込めた思いと共に発表してもらいました。

作品紹介

  • カカオはチョコレートにチョコレートは夕陽の写真に
    HIRO IGARASHI 五十嵐 央
    TRADE
    -カカオはチョコレートに
    チョコレートは夕陽の写真に-
    (行為の記録/アートブック)

    手元にある1枚のチョコレート。これを、ある人は飴と交換してくれた。ある人は煙草と交換してくれた。ある人は夕陽の写真と交換してくれた。このチョコレートは私に届く以前にも、何度もの交換(TRADE)を繰り返してここにある。この交換の続きを、私が新しく作ってみる。

  • とけない ままごと
    MINAMI OKONOGI 小此木 みなみ
    とけないままごと
    (シルクスクリーン)

    溶かして、混ぜて、固めて、取り出して。5歳の私にとって、バレンタインのチョコ作りは、何もかもめちゃくちゃで、おままごとのようだった。絵の具にチョコを溶かす、目分量で色々混ぜてみる。あれ、なんだかあんまり上手く刷れないや。どこか拙い、私の20年越しのおままごと。

  • 34.5度で溶けだす
    RANA OZAWA 小澤 良奈
    34.5度
    (フォトグラフィー+詩)

    指先で触れて数秒後、体温を伴うかのように、チョコレートの甘い香りは記憶を助長する。記憶は温度を含んでいるようで、眠たげで鮮明に、あの頃を連れてくる。

  • チョコと世界が広がる体験
    MAKO GENKAWA 源川 眞子
    チョコと世界が広がる体験
    (アニメーション)

    幼い頃から抱いてた、変わらない気持ちと変わった私。気が付けばみんな知っていて。感じてたもの、甘くて少し苦い。でもきっとそれだけじゃない。世界のすべてがちょこっと広がった。

  •  チョコレートの秘密と結晶の妖精たち
    ZHANG YINGXIN 張 瀅鑫
    密かに踊る、静かに歌う
    (水彩画)

    宝石の堅固な輝き、柔らかな川の流れ。口の中でゆっくりと融ける瞬間、私が不得意な甘さと深く愛する香りが広がってくる。硬さと柔らかさ、甘さと香り、それはすべて小さな結晶たちが密かに踊り、静かに歌っているのだ。

  • BELOVED CHOCOLATE
    HE CHUAN 何 川
    BELOVED CHOCOLATE
    (インスタレーション)

    遠ざけようとしているはずなのに、なぜかいつもチョコがわたしのそばに現れる。その包装に宿りし悦びと困惑。予想とは裏腹に、制御不能な距離が新たな物語を紡いでゆく。個人的にはチョコは苦手だ。が、それは世間に溢れ愛され貰われ、どういうわけか時折買ってしまうことさえある。チョコは剥き出しではなく多くは箱入りだ。それを封じ込めるプレゼントの箱は人が人との距離を縮ませたい時に手渡されていくメッセンジャー。包まれ封じ込められた空間内でしか見ることのできない絵は、場合によっては圧迫や没入へと人を誘う。そこでチョコと共存し巻き込まれていく。ただしその程度は、その人その人で異なる。本作はこの、微妙でなんとも言えないその距離感で悦びと困惑をテーマとする。

  • terroir
    UTA MASAI 政井 歌
    terroir
    (グラフィック)

    テロワール。フランス語で地球、大地の意味の言葉。チョコレートの味はこのテロワールによって変わる。赤道付近の遠い国々でカカオは作られ、長い時間をかけて私たちの手元に届く。チョコレート一粒にはそんな長い時間と場所が内在しているのだ。チョコレート一粒を味わう体験は、自身のテロワールを探すきっかけとなった。自分にとっての私を形成する価値観や記憶のテロワールを実感するとき、それは日記に記されていた他者との会話で出た言葉のかけらだった。日記にある言葉と、日常の記憶の映像から文字を集め日記の言葉を再構成した。私を構成するテロワール。

  • Floating image of cacao
    HONOKA MATSUSHITA 松下 穂香
    Floating image of cacao
    (フォトグラフィー)

    私はカカオという実を実際に見たことがない。カカオについてのイメージを調べるうちに、自分の中での「カカオ」のイメージの定義がまったく定まらないことに気づいた。緑色でやや長く、或いはオレンジ色で丸く、或いは茶色で小さく…。AIが膨大なインターネットの海からカカオのイメージを拾い上げるような行為と同じ要領で、自分も同じように遠い国のカカオとはどのようなイメージなのかを学習し、その境界を厳しく定めることなく広義に捉え、我々の日常にチョコレートが存在するようにカカオのイメージも身近に存在することを定義する。その行為は遠くの国で育ったカカオと自分との遠い距離を繋げるだろう。

イベント

展覧会開催!
「まだ見ぬ特別なチョコレート体験(物語)」

東京藝術大学の参加学生メンバーが「まだ見ぬ特別なチョコレート体験(物語)」をテーマに制作した作品を、実際にご覧いただけます。
イベント会場では、各学生が選んだ、自分の作品に一番合うヴァローナのチョコレートをご用意しております。試食しながら、作品をご堪能ください。また、2月6日には、学生が自らの作品に込めた想いを紹介するトークショーを開催いたします。
親しみがあるけれど、深く知る機会が少ない奥深いチョコレートの世界を、アートを通して体験してみてください。食と芸術のコラボレーションをお楽しみください。

開催期間 2024年2月6日(火) ~2月17日(土)
平 日 9:00~19:00
土 曜 9:00~17:00
初日2月6日(火)のみ12:00~18:30
※2月11日(日)と12日 (月・祝)は休館日です
【トークショーイベント】
2月6日 (火) 18:30~
開催会場 +NARU NIHONBASHI
(プラスナル ニホンバシ)
〒103-0023
東京都中央区日本橋本町1丁目4-12 カネダ日本橋センタービルディング1階
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